心配していた天気もどうにか持ちこたえ、歴史と伝統ある神社の持つ重厚さの中で、ハープ、チェンバロ、フルート、ヴァイオリン、ファゴット、オーボエ、そしてベースと実に多彩な楽器、多くの演奏家たちが、1時間30分にわたり、J.S.バッハ、ヴィヴァルディなどバロック音楽を中心とした演奏を繰り広げていった。
その中でも異彩を放ったのは、ベースのMr.デビット・ヤング。ただ一人何とジャズを演奏し始めたのだ。そのスイング感に思わず会場からは指でリズムを取る音が流れ、観客と演奏家が一体となった何とも言えないいい雰囲気が漂った。
コンサート終了時も拍手は鳴り止まず、演奏家たちも感激の面持ちであった。
(沢井 祐浄)
1111年の歴史と伝統のある大塩八幡宮の拝殿において、恒例となった寺社コンサートの第二夜が、今にも泣き出しそうな梅雨空の下、およそ150人の聴衆を集めて厳粛な雰囲気の中で始まった。街中の喧燥を避けて、ここでのコンサートもだいぶおなじみとなったとみえて地元(国兼町)の自警消防隊をはじめ区民あげての協力で和気藹々とした、コンサートとなった。
ここにいると、なにか時間が止まってしまったように気持ちが感じられ、開放的でもあり心洗われるようである。フェススティバル・インターナショナル・アンサンブルのメンバーもホールでのコンサートとは違った中での演奏に戸惑い気味、聴衆の表情がつぶさに窺うことができるだけに、(演奏する方も聞く方も)お互いに真剣に取り組んだ。ただ、残念なことには非常に湿度が高く、最悪のコンディションの中で調弦などには相当に苦労した様子であった。でも、そこは世界の第一線で活躍する一流のプロ。うっとうしい梅雨空を吹き飛ばすような演奏にバロックからジャズのナンバーまで実に爽快な演奏で時間の経つのも忘れそうなひとときであった。
まったくの余談ではあるが、本番の始まる前の個々の音あわせでD.D.ショスタコーヴィチの「交響曲第5番 ニ短調」第二楽章の部分を弾いていたのを耳にしたときは何やら「うれし、はずかし」感じがした。
何はともあれ、武生から全国、いや全世界に向けて発信し、地元に定着してきたこの武生国際音楽祭をこれからもっともっと多くの人に、こういう機会(たとえば無料で入場できる寺社コンサート)を通じて聴いて欲しいし、それがきっかけでみんな音楽が好きになってくれたらと思う。
(河端一幸)
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